山里亮太著『天才はあきらめた』を読んだ感想と学び
山里亮太さん(山ちゃん)といえば、最近蒼井優さんとの電撃結婚で話題になりましたね。
毒はきキャラとして知られ、「テラスハウス」では山チャンネルというソロチャンネルまで作られ、テラハメンバーに毒を吐きまくっている様子が印象的です。
そんな彼がこれまでの生き様を綴った著書、『天才はあきらめた』
彼がどうして芸人を志したのか、芸人を志してからの苦悩、挫折、M-1優勝等々、今のスタイルを確立するまでの紆余曲折が赤裸々に綴られています。
今回は『天才はあきらめた』を読んで、学んだ点や印象に残った点について書いていこうと思います。
お母さんがすごい
本の最初の方に、山ちゃんがすることをなんでも「すごいねぇ」と言うお母さんだったと紹介されているのですが、読んでいると、逆に「すごい」って言えることの方がすごいな!?と思ってしまうほどなのです。
完全に場違いの子役オーディションに参加した時は
「あんたすごいねえ。他の子みたいにお金かけてるわけじゃないのに勝負できるなんて、えらい」
学校でめちゃくちゃ怒られた時は
「反省してる感じ出すのうまいねぇ」
太っていてキングサイズの洋服が入らなかったときは
「あんたすごいねえ!洋服屋さんが一番大きいと思ってるよりも大きいんだって!すごいねぇ」
子供がどんなことをしても「すごい」と言える親はなかなかいないと思います。
もちろん子育てにおいて子供を叱ることは大事だと思うのですが、叱られると自信をなくしてしまうんですよね。
山ちゃんの場合は、生まれ持ったネガティブな気質とお母さんの「すごい」教育がうまく組み合わさって、プラスの効果を発揮したのだと思います。
負のエネルギーを自分のガソリンにする
例えば自分より下だと思っていた人が自分よりも成功している時や、心無い言葉を言われた時、悔しい・嫉妬・羨望など負の感情で一杯になるときが誰しもあると思います。(むしろ負の感情が全くない人はそれはそれですごい)
負のエネルギーって悪だと考えられがちですが、時として正のエネルギーよりも強いパワーを発揮するんですよね。
世界仰天ニュースのダイエット特集・仰天チェンジが好きでたまに見るのですが、ダイエットに挑戦してもなかなか成功しなかったのが、太っているからと彼氏に振られて見返すためにダイエットしたら成功した!なんて話もよく目にします。
それくらい、負のエネルギーは爆発力が大きいです。でも、負のエネルギーは瞬間的な爆発力は大きいですが、保ち続けるのは容易ではありません。
私なんかはムカッとする出来事があっても、「あの時はカッときたけど、もういいか〜」と受け流してしまうことが多いです。その方がエネルギーを使わなくていいし、楽だからです。
でも、山ちゃんは負の感情を忘れないようにノートにメモし、自分がくじけそうになったときにはそのノートを見て自らを奮い立たせていました。
特に印象に残ったのがこのフレーズ。
嫉妬をガソリンに変える。そして、サボる理由がなくなったことを喜ぶ。そう思い込ませた。サボらなければ自分にもチャンスがあると思うことで、努力に使う時間を圧倒的に増やせた。そうだ、いいんだ、頑張れるんだ、と言い聞かせて嫉妬の炎でエンジンを燃やし続けた。
ー山里亮太『天才はあきらめた』より
本を読むと、山ちゃんが批判や罵倒を多く受け止め、それに立ち向かうべく一心不乱に努力を重ねてきたからこそ今の地位があるんだなということがよく分かります。
お笑いに対するストイックすぎる姿勢
本を読むと、山ちゃんがお笑いに対して非常にストイックであることが分かります。
何十冊ものノートにお笑いのことについてまとめていたり、少し漫才のタイミングがずれただけで猛烈に反省したり、打ち上げに参加するよりも自分で内容を反省をすることを選んだり…。
頭の回転の速さや高いトーク力は天性のものに思いがちですが、本当に「努力の人」なんだと思い知らされました。
(私も旅行業界に就職するときはガイドブックめちゃくちゃ読み込んで勉強しようと思っていたのに全然読んでいない…。山ちゃんを見習わなければと思いました。)
千鳥・大悟との関係
山ちゃんが芸人を辞めようとした時に千鳥の大悟が引き止めたことはネットでも多く記事になっていますが、ネットの記事の情報は本に比べると限りなく薄いです。
本を読むと山ちゃんがその当時芸人としてどんな苦悩や葛藤に悩まされていたのか、どうしてそう思うようになったのか、という背景が分かります。
芸人を志すようになってから売れるまでの苦悩、売れてからの苦悩を時系列で知った後に大悟とのエピソードを読むと感動の大きさが全然違います。
ネットの記事での十分いい話なんですが、本で時系列で山ちゃんの人生を追って行くとさらにいい話だと実感できますよ。
オードリー若林の解説がまた、良い
解説を書いているのは、山ちゃんの親友・オードリー若林正恭。
私はこの本を読むまでオードリーの若林と山ちゃんが仲が良いということは全く知らなかったのですが、解説には二人の関係性がよく表れているなと思いました。
仲が良いことは勿論、若林が山ちゃんのことをディスりつつ(もちろん愛が溢れているディスりだが)褒めつつ、けなしつつ、でも芸人としての山里亮太を認め、尊敬していることがよく分かる、なんだか読んだらジワジワとほっこりする解説でした。
こんな風に思ってもらえる親友がいるなんて山ちゃんが羨ましい!
最後に
山ちゃんと蒼井優の結婚報道が流れたときは、初めは冗談かと思いました。
正直、蒼井優が山ちゃんを選ぶなんて意外だと思っていました。
でも、「天才はあきらめた」を読んで、山ちゃんは仕事に対して真面目でストイックで、挫折してもひたむきに努力を重ねていける「カッコイイ男」なんだなと思うようになりました。
ミーハーな私がつい買ってしまった「天才はあきらめた」でしたが、山ちゃんの自分の人生を赤裸々に綴った文章は心に刺さるものがあります。
読んで後悔はしない一冊だと思います。